昼飯

最近通っている昼飯がある。
必ず、三皿のおかず+ご飯に味噌汁だが、毎日メニューが違う。
夜になるとおでんを出すような飲み屋になるその店は、坊主頭の親父が一人で調理場に立つ。
いらっしゃいの声もなく、こんにちわーとか言いながらカウンタに座ると、お盆と紙お絞りがおいてある。
お茶を汲んでボーっとしていると、ご飯と味噌汁、おかず三品が順序なく出てくる。
おかずの一品は焼くなり揚げるなり、必ずその場で手を入れてから出てくる。メインディッシュに冷えたものは絶対出ない。
今日は、パスタのサラダ、肉じゃが、そしてその場で揚げた秋刀魚の竜田揚げだ。
ここではいつもサラリーマンが詰まっている。ここの食料を残すような馬鹿はいない。
カウンタには、百円が三枚ずつ積んである。千円を置いて三百円をとっていくシステム。
この食べ物とサービスに七百円の値がついている、これが贅沢かチープかはわからないが、ここにくれば、「本当の昼飯」が食べられるのだ。
昼の生活は、ここを出てから始まるのである。