ペグイントロン48回目注射、投与完了。

6:30目が覚める。寒いので布団の中にいる。なんだか落ちつかない。
7:50朝飯を食べる。めざまし土曜日の妙なテンションについていけない。
8:30風呂に入る。
8:55自宅を出る。外は、やはり寒い。
9:00H病院で受付。そういえばA医師が「今日が最後であるとH病院に伝えろ」といっていたので、こっちのS先生に伝えてもらうようにした。

9:05ゴルゴがいる。処置室前待合ベンチに、ゴルゴがいる。
おいらが電車で通勤していた頃、いつも決まったドビラのところに彼がいた。独特なもみ上げ、サングラス、胸の前で腕を組み微動だにしない姿勢。どう見てもゴルゴである。ただ、体重は1.5倍ぐらいなので、ゴルゴ19.5といったところか。
そのゴルゴが、やっぱり腕を組み、目をつぶって、非常にゆっくりとした周期で肩を揺らしながら、おいらのベンチの隣に座っているのだ。
なんというか、、、、、お大事に。

9:20ペグイントロンを溶くのが見える。とうとう名前を呼ばれる。
「妙なお願いして良いですか。」「な、なんですか。」「これが48本目、最後の注射なんです。」「あ、ビンいりますか?箱ですか?」
なるほど、薬の箱はノベルティーか何かなんだろう。みんなもっていくみたいだ。
「いや、そういうことじゃなくて。」「じゃ、、、なんですか?」困った顔をされた。
「いつもより気合を入れてください。」「あ、はいはい、最後の注射ですもんね。」
最後の注射器がおいらの右手に刺さる。「手先がしびれたら言ってくださいね。」「はい、大丈夫です。」
いつも通り、何にも変わりなく、0.5mlが腕に吸い込まれていった。
こんなもんだ。48回目ってこんなもんだ。48は4*12でしかない。48は50-2でしかない。48は、、、きりがないな。何も変哲の無い数字でしかないんだろう。
「おつかれさまでした。」「ありがとうございます。おせわになりました。」
やっぱり、ペグのパッケージと注意文書、投与指示のシールをもらった。


9:30診察室に呼ばれた。
「どうですか、お加減は。」「はい、問題ないです。」「向こうで検査されながらだったんですけど、ウィルスとかはどうでしたか。」「ええ、いなくなりました。定性検査ですか、それが陰性です。」「何週目からでなくなりました?」「4週目です。」「あ、34週陰性が続けば大体治るって言いますから、大丈夫でしょう。で、向こうで検査を続けて経過観察ですね、、と。」
S先生、電子カルテにもなれた様子。
「はい、ご苦労さんでした。」「お世話になりました。ありがとうございました。」
9:35精算。いつも通り金一万百二十円也。

うれしい。全く静かだけど、全身に染み渡るように喜びが。