1 品川

品川宿の街道は、数キロ商店街のとおりになっている。

人や自転車や自動車が、それぞれゆっくり、思い思いのペースで往来している。
さっき、歩いている鳩を、自動車が避けながらゆっくり通りすぎて行った。
東海道のいくつかの場所も同じように、何度か遭遇した風景。

ここをみると、四百年前、いやもっと昔からある東海道という街道が、現在も「人の道」として生き続いているのがわかる。
街の人と、旅の人と、すべての人に優しく平等の道。日々のやり取りに疲れたとき、のんびり歩いていろいろ観察したい道。
どんなに世の中が変わっても、いつまでも続いて欲しい道。

品川は何度か歩いていたけど、自転車で五百キロを経て見る街道は、そんなふうに見えました。

最後の宿をこえ、さぁ江戸に向かいます。